この記事では関東より西の気候なら栽培できるドライガーデンにぴったりな多肉植物をご紹介します。寒さに強い多肉植物は限られており、どうしても「アガベ」や「エケベリア」の品種の偏りが出てしまいます。
見た目が被らないようメリハリをつけて選択するのがお洒落なドライガーデンに仕上げるコツです。水やりに関しては、成長期は月に1~2回程度、冬はやらないのが基本となっています。
ウチワサボテン
ウチワサボテンは、特定の種の名称ではなく形状の総称です。サボテン科に属する植物で、アメリカやメキシコ、中央アメリカが主な原産地です。
特徴的な点として、サボテンのトゲ部分には綿毛のような「刺座(しざ)」が存在することが挙げられます。多くの種類が存在し、その特徴は平たい形状に似たウチワのようになっていることから呼び名がついています。形や色は種類によって異なり、そのユニークな形がインテリアグリーンとしてとても人気を集めています。
柱サボテン
柱サボテンも品種名ではなく、柱状に成長するサボテンの総称です。
これらのサボテンは、アメリカやメキシコなどで見られるサボテン科の多肉植物であり、日本でもスタイリッシュなインテリアとして再び人気を集めています。柱サボテンと聞くと、柱のような大型のイメージがあるかもしれませんが、実際にはコンパクトな品種も存在し室内の窓際などでも元気にすくすくと育ちます。
そのため、サイズに応じてさまざまな場所で楽しむことができます。
ココヤスシ
近年のリゾートガーデンブームにより、日本でも少しずつ人気が高まっているのがココスヤシです。
ハワイや東南アジアのリゾート地で見かけるような南国ムード溢れる迫力あるヤシを、自宅でも育てたいという需要が増えています。
「ヤシ」と聞くと、多くの人はハワイなどの暖かいリゾート地で、樹高20〜30メートルになる様子を思い浮かべるかもしれません。しかし、ココスヤシはその樹高よりもむしろ、見事な葉の広がりと迫力満点の幹が特徴的です。
銀白色に反り返る細長い葉と、縦に大きく割れた太い幹は、ただ見ているだけで時間の流れが変わってしまいそうなほどの美しさです。
フェニックス・ロベレニー
フェニックス・ロベレニーはヤシ科の植物で、スッとまっすぐ伸びた幹にしなやかな美しい葉をつけます。この植物は一つあるだけで、その存在だけで置かれた場所を南国の雰囲気に変える魅力があります。そのため、ドライガーデンとして選ばれる植物の中でも、とくにシンボルツリーとしても人気があります。
フェニックス・ロベレニーは成長が遅く、幹も太くならないため、スマートな樹形を保ちます。
その特性から、鉢植えでも育てやすく飾りやすい品種です。
ユッカ・ロストラータ
ユッカ・ロストラータは、アメリカのテキサス州やメキシコ北部が原産でドライガーデンに最適な希少植物です。この植物は暑さや寒さにも非常に強く、観葉植物として室内での観賞用や屋外の地植えとして、日本のほとんどの地域で育てることができます。
気候の良い地域では、ユッカ・ロストラータは4メートル以上に育つこともあり、お家のシンボルツリーや新築の記念樹としても使用されています。また、その無骨な幹や特徴的な葉の形からか男性からの人気もとても高い植物です。
カレックス
カレックスは約2000種もの多様な種類があり、日本を含む世界中で広く分布しています。その強力な根の性質から、林道などの路肩で土留めに利用されることが一般的です。しかし、その他にも風に揺れる細い葉の美しいラインや鮮やかな葉色からカラーリーフプランツとして人気を博しています。
カレックスには、緑葉の他にも光沢のある銅色の葉や黄緑色の葉、斑入りの葉など、さまざまなバリエーションが存在します。花は4月から6月上旬にかけて葉の間から花穂を伸ばし、雄小穂と雌小穂を咲かせます。
カレックスの大きさはさまざまであり、間引きや株分けを行うことでサイズを調整することができ庭や鉢で楽しむことができます。斑入りの種類では、時折、緑葉が出現することがあります。
緑葉の方が斑入りの葉よりも成長が旺盛であり、放置しておくと斑入りの葉が失われる可能性があるため、株分けを行い緑葉の部分を取り除くことが良いでしょう。
アガベ
アガベは、メキシコを中心にアメリカ大陸全体に分布している多肉植物です。世界中に約300種以上存在し、直径約5cmの小さいものから5メートル以上の大きなものまで幅広いサイズの種類があります。
一般的にアガベはテキーラの原料として知られており、日本ではリュウゼツラン(竜舌蘭)という和名で呼ばれています。ただし、蘭の仲間ではないため、漢字表記では「蘭」と書かれることがありますが注意が必要です。アガベの形状は、先のとがった葉がロゼット状に広がっておりアロエに似た姿をしています。
アロエ
アロエはユリ科に属する多肉植物で、熱帯地域で自生し、アフリカを中心に広く分布しています。日本では一般的に「アロエ」と総称されますが、実際には300種から400種以上の品種が存在すると言われています。これらの品種には茎のないものや20メートル以上の高さに成長するものなど、多様な形態があります。一般的に日本でよく知られている品種は「キダチアロエ」と「アロエベラ」です。
ニューサイラン
ニューサイランは、すらっとした長い葉を株元から扇状に生やす多年草です。
その葉からは繊維が取れるため、織物やマット、漁網などに利用されるほか、根を焼いてすりつぶしてシップ剤にしたり、花茎を利用していかだを作ったり、花から蜜を採取するなど、非常に有用な植物です。ニュージーランドなど原産地では、経済を支える重要な作物となっています。
日本では、その美しい草姿から庭園などで観賞用に栽培されるほか、葉を折り曲げたり裂いたりしてアレンジしやすいことから、生け花やフラワーアレンジメントなどにも利用されています。
夏には葉の間から長い花茎が伸び、暗赤色または黄色の花穂をつけます。葉の色には、クリーム色や黄色の斑入り、銅葉や紫葉、赤葉など多彩なバリエーションがあり、多くの園芸品種が存在します。
寄せ植えのアクセントとして使用され、立体感や高さを演出します。
コルディリネ
コルディリネは、美しい葉模様が特徴の観葉植物であり、多くの園芸品種が開発されています。外見が似ているため、園芸業界ではコルディリネもドラセナとして販売されることもありますが、実際には別の植物種です。
コルディリネとドラセナを見分けるポイントは、根の形成です。
コルディリネは匍匐性の根茎を形成しますが、ドラセナはそういった根茎を持ちません。
また、フラダンスで使われるスカートの原材料としてティーリーフと呼ばれる葉がありますが、これは一般的にはコルディリネの葉を指す場合が多いです。リュウゼツラン科やリュウケツジュ科に分類されることもありますが、それぞれの分類体系により異なる結果が出る場合があります。